鬼哭街 The Cyber Slayer(ニトロプラス)感想

鬼哭街 The Cyber Slayer
ニトロプラスのちょっと昔の作品。分岐は一切無いビジュアルノベル。長さもラノベ数冊分程度。
生身のままサイボーグと渡り合う「電磁発勁」の使い手、孔濤羅(コン タオロー)が主人公。妹を陵辱のうえ魂を引き裂いたかつての仲間たちへの復讐と、5分割された妹の魂のカケラの回収と蘇生を目指す物語。
いやーサイバーパンクっていいよね。テクノロジーが進化しても、そこに生きている人間は進化しているわけでもなく、最新のテクノロジーを注ぎ込まれた街もあれば、置きざりにされ猥雑なまま展開した街もある。そういった世界が、現実世界の延長として不思議なリアリティを醸し出す。清潔で衛生的な作り物っぽい未来観に対するカウンターとしての気持ちよさもあるかもしれない。
そこに少年マンガ的バトルもの要素が加わっているのだからたまらない。難しくて読み方がよく分からない必殺技の数々も、妙にしっくりと世界になじんでるし。
なんだか久々にギブスンのスプロール三部作*1を読み返したくなったぞ。

*1:ニューロマンサー」、「カウント・ゼロ」、「モナリザ・オーヴァドライヴ」