さくらむすび(CUFFS)ややネタバレ気味な感想

さくらむすび

アクションゲームなどのステージの合間に入るデモシーンを飛ばすがごとく、エロゲーのエロシーンをマウス連打で飛ばす人は結構いると思う。実際オレも飛ばしがちになる。これはストーリーの転換が入り、先の展開が気になるタイミングで乳繰り合いを始める間の悪さや、コンシューマーに移植される時にはカットされてしまうからか、取って付けたようなオマケ程度のもので面白くない場合、逆に力入り過ぎちゃってて読んでらんないから、等などゲームにより原因は様々だ。しかし、このさくらむすびではそういったことにはならなかった。その乳繰り合いが素晴らしいのだ!w ストーリー展開上自然だし、幸せいっぱいでこそばゆさ炸裂! 特に幼馴染の紅葉と繰り広げるめくるめくバカップルワールドは最高である。後輩の可憐ちゃんもヤバカワイイ。これはきちんと男女間のコミュニケーションとして描かれているから、素晴らしいものになったのだろう。
しかし、そんな中唯一ヘビーな展開となるのが妹桜のルートだ。他の二人は結ばれることを祝福してくれる人が存在する。紅葉ルートなんて誰もが祝福する超ぬるま湯ワールドだ。それに対して桜ルートは誰も祝福してくれる人がいない。そこで提示される道は二つ。自分たちを受け入れてくれる可能性のある未来を待つか、今すぐに自分たちだけの世界、桜の園へと向かうか。後者は要するに駆け落ち自殺だが、これはもう安易な妹萌えゲーに対するカウンターの様である種の爽快感さえ感じてしまった。こうなる前に義理と言う設定にあっさりと逃げ込む安易さは無く、どーんとぶつかっていく。作り手のその姿勢が気持ち良い。常に主人公の身近に存在し、無条件に慕ってくれる女の子という便利設定として妹属性を使うことにいったい何の意味があるのかと、この作品は訴えているのだ。いやこれはオレの勝手な想像ですが。
ゲーム全体として、イベント絵がかなり少なめなのもあり小粒感が否めない面はある。しかし「桜結び」と「化け物」をキーワードに、綺麗にまとめられた世界がとても心地良い作品だ。