ファウスト Vol.6 SIDE-A,B (講談社)感想

ファウスト Vol.6 SIDE―A (講談社 Mook)
奈須きのこの作品を圧倒的に面白いと思うオレは、その作品の世界が特に好きなのだろう。以前はその世界の表現にやたら説明的なくどさがあったけど、最近はその辺が改善され、自然になってきたように感じる。だからと言ってその奈須きのこらしさが薄くなったということは無く、まさにクリアに表現されるようになってきているのだ。
そしてキャラクターたちは、そうした世界にしっかりと根を張り、その世界で純粋培養されているかのよう。その世界にしっかりと根を下ろしている、その世界で生きている、そう思えるからこそまた魅力を感じ、閉じた世界にリアリティを感じられるのかもしれない。
奈須きのこと共に“新伝綺”として掲載された、竜騎士07と錦メガネ両氏の作品もとても面白かった。
竜騎士07ひぐらしでもそうだったけど、日常を破壊するのがすごくうまいね。少しずつ日常世界が非日常へと書き換わっていく。そのプロセスにはぞくぞくさせられる。
錦メガネの作品はその驚異的な理屈っぽさがツボだ。その理屈っぽさによって生み出された論理空間がまさに世界観と言った感じ。世界は脳内で構築されていると言わんばかりの勢い。いやそう言ってるのか。この人がシナリオをやったゲームが何なのか気になる。

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