Winnyの「暴露ウィルス」こと「仁義なきキンタマ」に引っかかる人とそうでない人

ISDNとかアナログモデムが当たり前だった時代、「なんかネットに繋がらなくなっちゃったよ?」とオレに相談してきた弟のPCを調べたら、インターネットの接続がQ2にダイアルアップする設定になっていたということがあった。ネットにはNATルータ経由で接続する構成になっていたので、実際にQ2接続されることはなく(物理的に無理)特に被害はなかったけど、弟の行動はあまりにもうかつすぎると思ったものだった。ちなみにその時の弟の言い訳は「なんか友達が遊びに来たときにPC使ってたからそれかも?」。お前が怪しいアダルトサイトに促されるままに正体不明のプログラムを実行して罠にひっかかったんだろーが!とはっきり言ってやろうと思ったけど、もう色々と察していたようだったので「ふ〜ん」で済ませておいた。
そんなうちの弟みたいな人のセキュリティ意識を高めるためにはどうしたら良いのだろうか?と最近考えていてふと気が付いた。そもそもネットに対する意識が違うのだ。弟なんかはネットを利用して情報を得ることにしか思いが及んでいない。どのようにすれば効率良く情報共有、情報公開できるかと言ったことに関する意識はゼロだ。ここに罠に引っかかる隙があるように思える。

例えばWinny。新聞でウィニーってカタカナで書かれていると強烈な違和感を感じる。メイドカフェがメードカフェって書かれているのと同じぐらいの強烈な違和感。いや、そんなことはどうでもいい。
で、Winny
Winnyそれ自体は匿名性を高めたファイル共有ツールだ。Winny2はそれに加えて中央サーバを必要としないBBSシステムを目指したものだった(47氏こと金子勇氏逮捕で頓挫)。しかし、うちの弟みたいなのはWinnyをタダで音楽データ、映画が手に入るツールだとしか思ってない。そこにはファイルを提供している人がいる、自分もファイルを共有できるという視点が無い。どういうことか。つまり単純に知らないのだ、どうするとファイルが公開されることになるのかを。
逆にファイルを公開している人、最初から公開するつもりである人の場合を考えてみよう。そういった人の場合は、どうすれば効率よくファイルを公開、共有できるかを考えるはずだ。匿名性を重視して公開したい場合、Winnyを利用することになるかもしれない。そしてそれと同時に公開を望むもの、望まないものを弁別しているはずだ。この弁別のプロセスが決定的に重要であるように思える。さらにエンコ職人やスキャン職人、その他ポエマーからファイルが流出しているという話を聞かないのは、共有の効率化のために自身の保持するキャッシュ内容に対して常に気を配っているからだろう。
Winnyを例にしたけど、インターネットそのものが情報を公開、共有するためのインフラなのだ。そこで望まない情報を公開しないようにするためにはどうしたらいいのか。アプリ個別の設定も重要だけど、受動的に情報を受信する、なんらからのサービスを受けるためのシステムといった面しか見えていない、そのインターネットに対する認識をまずどうにかしなければいけないのかもれない。でもまぁ難しいね。オレはあきらめた。と言う訳で弟のPCでWinnyやその他P2Pアプリは利用できないようにしてあります。
ついで。
トレンドマイクロのサイトにあるウイルスバスターオンラインスキャンについて。あのウィルスのスキャンだけできて駆除や削除はできないやつです。あれ、日本人向けのサイトがそういう設定になっているだけで、北米向けサイトにあるやつなんかはちゃんと駆除・削除もできるようになってます。しかもActiveX版だけでなく、Java版も提供されているのでFirefoxでも使えます。活用しましょう。